素形材の表面改質（26）--金型熱処理の実技

摘要

金型に使われる鋼（SKD）はカーバイド（炭化物）系である。だから、熱処理に対してカーバイドの形状、粒径、分布状態などが重要な鍵である。これに対して機械構造用鋼（S－C，S－A材）はパーライト系であるから、そうやかましいことはない。カーバイド系で特に重要なのはカーバイドの大きさで、これは1μmが標準とされている。日本ではこhなに重要なカーバイドの大きさにもかかわらず、鋼質の規格に採り入れていないのはどういうことであろうか。欧州の1社がこのカーバイドの大きさ、分布状態を品質の規格に採用しているくらいである、日本では銅種は違うが、SUJ2（ボールベアリング銅）の親格（国鉄仕様書SA27、昭和25年9月）で、カーバイドの大きさ、分布状態によって、優、良、可、不可の等級別をしているくらいである。