衛星／地上統合移動通信システムにおける周波数ホッピング型OFDM伝送による周波数利用効率改善法

摘要

広域に渡る高信頼無線ネットワーク構築のために衛星／地上統合移動通信システム（STICS: Satellite/Terrestrial Integrated Mobile Communication System）が検討されている．STICSはシステム帯域内に衛星系システムと地上系システムが混在し，互いに使用周波数帯を共有することで周波数の有効利用が図られている．しかし衛星系と地上系それぞれに適したチャネル帯域幅が異なるため，干渉回避の観点で地上系バンドの一部が不使用となっていた．筆者らは地上系OFDM信号に対し送信側干渉抑圧処理であるサブキャリアバンクチャリングを適用し，伝送速度を低下させることなく，シングルユーザOPDM信号を従来の地上系不使用バンドに割り当てることで，周波数利用効率の改善を図る提案を行なっている．本稿では，提案法のOFDMAシステムへの適用を検討し，チャネルローテーションによる周波数ホッピング型OFDM伝送を導入することで，マルチユーザ環境においてもシングルユーザ環境と同等の平均周波数利用効率を達成できることを示す．