共通鍵暗号方式におけるLinear Obfuscationを用いた効果的な難読化手法

摘要

Linear Obfuscationは，マルウェアのTrigger-basedコードを動的解析手法Symbolic Executionから隠す難読化方式として提案された．Trigger-basedコードの検知による難読化位置の特定は共通鍵暗号にとっても脅威と考えられるが，提案された難読化手法の共通鍵暗号への適用についての検討は不十分である．そこで本研究では，Linear Obfuscationを共通鍵暗号AESへ適用し，評価を行う．AESの鍵を使う処理をWhite-Box Cryptographyにより暗号化し，分岐を加え，そこにLinear Obfuscationを適用する．評価は試行錯誤的な実験的評価と，メトリックスを用いた客観的評価，実行時間や計算コストに基づく性能評価を行う．