コーパスベース音声合成における音声合成単位とコーパスの設計方法

摘要

コーパスベース音声合成技術は，音声コーパスを利用して定量的な評価尺度や明確なアルゴリズムに基づいて合成音声の生成を行う技術と定義できる．コーパスベース音声合成においても任意の音声を合成するためには，合成音声の基として適切な「音声合成単位」を用いる必要があり，音声合成単位の設計は合成音声の品質に大きな影響を与える重要な課題である．また音声合成単位は音声コーパスから生成又は選択されるため，音声コーパスの設計も重要な課題の1つである．本稿では、ヒューリスティックなアプローチにはじまるこれまでの音声合成単位の研究を紹介するとともに，音声合成単位の設計の観点から音声コーパスの構築方法について述べる．