5軸制御スクエアエンドミル加工の工具経路間隔推定式の導出 第1報：工具経路間隔の幾何学的な定式化

摘要

エンドミル切削加工は製品製造の基幹技術の一つとして，さまざまな高精度化が進められてきた．工具経路間隔はエンドミル切削加工において加工後の表面性状と生産効率の適切なバランスを考慮することのできるパラメータの一つとして知られているが，5軸制御スクエアエンドミル加工における工具経路間隔に関する研究報告は僅少で，実用的な指針は与えられていない．そこで本研究では，いくつかの座標系の定義に基づき，さまざまな工具姿勢の下で統一的な取扱いができる表現を与え，5軸制御スクエアエンドミル加工における工具経路間隔について，工具を楕円，目的形状を平面になるようにモデル化し，その幾何学的な定式化を行った．また，自由曲面加工や隣り合う工具経路で工具姿勢が変化した場合に対しても提案式が適用可能であることを示した．