微細径エンドミル加工における主軸アンバランスと加工精度との関係（第1報）－刃径30μmの2枚刃スクエアエンドミルの場合

摘要

本研究では，直径30μm以下の微細径エンドミルの切削特性に関して基礎的に検討した．すなわち，微細径エンドミル加工においては，工具の振れまわりや主軸のアンバランスなどの外乱が切削特性に大きく影響を与え，十分な加工精度や工具寿命が得られないといった問題点がある．その問題点に対して，本報では，直径30μmの2枚刃スクエアエンドミルにより溝加工を行った時の主軸アンバランスと溝加工精度との関係に関して定量的に調査した．その結果，主軸アンバランスと加工溝幅およびぼりの発生量との関係には正の相関があり，主軸アンバランスを2nm程度に抑えることによって，エンドミル直径30μmと一致した溝が形成できることなどを明らかにし，微細径エンドミル加工における留意点を示唆することができた．