吸音ボックス群による発破低周波音の低減

摘要

トンネル工事において，発破掘削時に生じる発破 音は低周波数成分を多く含み，坑外へ放出された 際，近隣の住環境の悪影響を及ぼすなど騒音問題が 生じる懸念がある。一般的な防音対策エとして坑口 に設置する防音扉が挙げられるが，防音扉の構造· 種類や設置数に関する明確な基準は無い。防音扉の 遮音性能は共振周波数を境に高周波数域では質量則 に従い，低周波数域では剛性則に従うことが知られ ており,共振周波数付近では防音扉の遮音性能 は低下するため，共振周波数に近い低周波音に対し ては重く剛な防音扉でも十分な遮音効果が得られな い場合がある。本研究では，防音扉の遮音上の弱点 となる低周波音の低減を目的とするトンネル坑内設 置型の吸音装置(Blast Wave Eater : BWE~?。以下 では吸音ボックスと記す)を開発した。本報では吸 音ボックスの概要を示し，工事中のトンネルにおけ る実際の発破音の低減効果の検証実験結果について 述べる。