完全自動運転の超安全·超小型高速炉RAPID-L

摘要

分散電源用小型炉は先進国での需要地近接の電源のはか，開発途上国においても今後重要となる。 一方，最近のJCO事故や米国でのテロなどの影響から，ヒューマンエラーを排除でき，いかなる故意または過失に対しても安全な超安全炉への期待も大きい。 こうしたなかで，完全自動運転の可能な世界初の超安全高速炉概念RAPID-Lの成立性の見通しを得た。 本研究は，電中研らのグループ（筆者，三菱総研·角田弘和本部長，京大炉·三島嘉一郎教授および東北大·川崎亮教授）が原研（岩村公道将来型炉研究Grリーダー）から受託して実施中である。 電気出力200kWの月面用リチウム(Li)冷却高速炉だが，地上用の小型炉にも適用可能で，将来の原子力発電の新しい選択肢の一つとなる可能性を持っている。