チェルノブイリ事故から私たちが学hだことIII.得られた教訓と社会·組織研究への発展

摘要

15年前に発生したチェルノブイリ事故は，旧ソ連最後の書記長であるゴルバチョフ大統領にグラスノスチ（情報伝達と公開）を決断させ，情報の公開と情報共有の重大さを示すとともに，組織としての意思決定や管理など組織要因の与える影響の大きさを全世界に警告した出来事であった。 当時，事故の主席調査官であるバレリ·レガソフ(ValeriLegasov)は，1986年9月，ウィーンのIAEAで開催された国際会議の席上で，事故の原因は運転員のエラーと規則違反であるといいきった。 しかし，2年後の1988年4月，彼はアパートのバルコニーで自殺したが，「チェルノブイリ事故について，私は明確な結論を下した。 それは，何年もの間，打ち続いた我が国経済政策の貧困がこの事故を引き起こしたということである」と自らの思いをテープレコーダーに託した。