空間特性が異なる学童保育施設における児童の遊び様態の相違についての比較

摘要

現在，学童保育施設には様々な運営形態の事例がある．たとえば，空き教室を利用し学童保育を行う施設，小学校の運動場に隣接する場所に専用の建物を建設する施設，児童の父母やボランティアなどが自ら運営主体となって民家で学童保育を実施する施設などがある．他にも幼稚園や集会室，空き店舗などでも実施されている．また，学童保育施設内での遊び様態は空間の有り様に影響を受けており，床仕上げの素材感や建物のつくり，面積の大きさなどの様々な要素が，遊び内容や遊び仲間，滞在時間，滞在場所等を決定する要因となるのではないかと考えられる．しかし，現在の学童保育施設の空間づくりにおいては，充分な計画的配慮がなされていない．そこで本稿では，児童の遊び様態と空間の対応を明確にすることで，学童保育施設の計画的指針を得ることを目的とする．