噴流現象の応用：冷凍分野での応用－蒸気エゼクタによる真空システムの利用技術

摘要

コンビニ業界を代表とする中食産業では，食材の温度管理はHACCPにおいて欠かせない重要管理点(CCP)の一つになっている．それは，有害微生物による食品危害（食中毒）などの食品関連の事故が発生すると，食品の回収という金銭的被害以外にもその企業が受けるイメージダウンははかりしることができない．そのため，食品加工現場ではさらなる衛生管理が求められている．有害微生物による食中毒の防止には「有害微生物を食品につけない．増やさない·ついたら殺す」の3原則がある．今回紹介する真空冷却機は，この3原則のうちの「増やさない」という原則に着目した冷却装置である．真空冷却機は，加熱調理された食材を短時間で冷却することができるため，細菌の繁殖が活発な50～30°Cの温度帯をわずか数分で通過することができ，さらに10°C以下の低温まで冷却し有害微生物の繁殖を制御することで，食中毒を防止することができる．この真空冷却機に採用している蒸気エゼクタを利用した冷却システムについて紹介する．