エアコン室内機のフィルタオートクリーナーの開発

摘要

昨今，エアコン市場では，「省エネなどの基本機能の向上」はもちろhのこと，健康志向を背景に「空気の質や清潔性へのこだわり」が増している．それにともない，空気清浄機能や換気機能，さらには酸素富化機能を搭載した商品も提案されてきている．一方で，より多くの人々が，不便さを感じることなく快適に生活できるというUD（ユニバーサルデザイン）の考え方が重要になってきている．当社が行ったエアコン購入後の不満調査結果では，図1に示すように「フィルタ掃除」に対する不満度がもっとも高く，その理由として，「エアコン室内機が高いところにあることに加え，直下に家具がある場合も多く，手が届かない」，「汚いので触りたくない」などが挙げられている．そのために，市場のエアコンの約9割が，フィルタ掃除不十分となり，電気代の増加や快適性の低下を招いている．このような背景の中，我々は，フィルタ掃除の自動化に対するニーズは非常に高いと考え，フィルタオートクリーナーを開発した．このシステムは，フィルタ，ノズル，ファンユニット，吸引·排気ダクトで構成されている．その方式は，フィルタ上のホコリを自動で吸引清掃し，除去したホコリは室外に排出するというまったく新しいものである．本稿では，このシステムを構成する主要な技術について紹介する．