冷凍空調の高効率化技術：製品の高効率化－近年のルームエアコンにおけるハードウェアおよびソフトウェアによる省エネ技術

摘要

家庭用ルームエアコンの国内販売台数は1990年前後から買増し需要の増加に伴い大きな伸びが生じ，現在では約650万台前後とほぼ安定した需要となっている．また家庭内での各部屋へのエアコン設置が普及し，家庭内で使用される電力消費量のうちエアコンがもっとも電力消費量の多い電気機器と言われるようになった．地球温暖化問題への対応の重要性がますます大きくなっている社会環境と，ユーザの省エネルギー意識の高まりにより，エアコンは他の電気機器の中でもいち早く機器の省エネ化が推進された．特に近年では，省エネに関する規制の強化に合わせて，エアコンを構成するハードウェアの高効率化（以下ハード省エネ）が急速に進hでいる．また最新のエアコンでは，先進のセンシング技術とソフトウェアを使用した自動化により，ユーザの使い勝手から生じる無駄を抑制する省エネ技術（以下ソフト省エネ）の開発も行われてきている．本報告では，近年のエアコンにおけるハード省エネとソフト省エネ技術の事例紹介を行う．