最新の飲料·食品関連機器－自動販売機－自動販売機の環境影響評価と改善取組み

摘要

我が国では約552万台の自動販売機が全国の街角や駅，オフィスなどに設置され，様々な面で利用者の生活の利便性向上に役立っている．その半数が飲料自動販売機である．一方，環境問題への社会の関心が高くなり，環境に配慮した工業製品の開発が強く求められている．これに対して，自動販売機メーカはその団体である日本自動販売機工業会とともに自動販売機が環境に与える負荷の軽減を目指して，自動販売機の製造や使用運転過程での使用資源の削減，廃棄物の削減，部品や装置の再利用などに関する研究を進めている．弊社はその動きに先駆けて，10年以上前から自動販売機のR＆R（リサイクル·リニューアル）対応を行うなど，環境への取組みを実施してきた．図1は各種環境側面と製品アセスメント項目と，それらに対応した環境技術開発の成果を表わしたもので，おのおのが有機的なつながりがあり，環境への取組み方向を示すことができる.このような環境と自動販売機との関連は，配慮すべき環境因子の増大に伴って複雑になってきているので，環境影響を正しく評価できるシステムに基づいて取組みを行う必要がでてきている．そこで弊社では自動販売機のLCA (Life Cycle Assessment)を主体とした環境影響評価システムを構築して，環境影響評価の定量化を行い，環境負荷低減の活動を進めている．本稿では，評価システムの概要と評価結果例およびその活用による環境改善の取組みを紹介する．また，並行して実施している環境配慮設計についてもその状況を述べる．