トラック運転者不足と「ホワイト物流」推進運動

摘要

トラック運転者については、近年、運転者不足が深刻化する一方で、過労死等を防止するとともに、職業としての魅力を改善するため、長時間労働の是正等の労働条件の改善や働きやすい労働環境の実現が求められている。また、昨年の臨時国会で貨物自動車運送事業法が改正され、トラック事業者が法令遵守できるよう、荷主が配慮する義務の新設や荷主勧告制度の強化等が行われた。このような状況を背景に、経済団体等による「ホワイト物流」推進会議が設置され、国民生活や産業活動に必要な物流機能の安定的な確保を図ること等を目的に、①トラック輸送の生産性の向上·物流の効率化；②女性や60代以上の運転者等も働きやすいより「ホワイト」な労働環境の実現を目指す「ホワイト物流」推進運動が展開されることとなり、荷主企業に対する自主行動宣言の呼び掛け等が行われている。本稿においては、これらの動きを紹介するとともに、荷主企業に期待される対応を解説する。