流通BMSの現状と展望②：流通BMSの「問題点」

摘要

現在、流通業界の企業間取引ED「基準が変更されつつある。数十年の伝統をもった旧来のJCA手順から、ここ数年で策定されているBMS：Business Message Standardに変更されつつある。BMS自体の内容をこと細かく解説することは、本稿の目的ではないので、ここでは割愛させて頂く。ただ前提として、BMSに関して、一般に言われている大きな特長を整理しておく。端的に言えば、ひとつは旧来の固定長の「低速な」J手順から、Internetを前提としたXML をベースにした次世代の「高速な」仕組みへ変更である点。そして、もうひとつは、J手順が主として「受発注のみの規約」であったのに対して、BMSがカバーする範囲は「受発注から物流·決済」にまで及hでいるという点である。BMSの特長は、この2点に集約できるといえる。これらの特長は規約の変更としてはきわめて大きな変更である。近年の流通業にかかわるIT の変革としては、間違いなくエポックメーキングなものとして数えられるだろう。今回はこの次世代の標準たるBMSの出生·現状·今後の課題等に関して、その裏側ともいえる「黒歴史」を紹介しながら、内容とともに問題点を解説していきたいと思う。