コンテクストブランディングの戦略－サービス社会の無形資産価値創造(10)：感覚共鳴のコンテクストブランディング－感覚共鳴とは何か？

摘要

前号までの経験共同のコンテクストブランディング、公共受容のコンテクストブランディングに続き、本稿から4回にわたって感覚共鳴のコンテクストブランディングについて考える。 感覚共鳴のコンテクストブランディングとは、戦略の基点を個人に置きながら、顧客との関係性をクローズなものにしていくブランド戦略である。経験共同のコンテクストブランディングは個人を起点としながら、顧客と企業、また顧客同士のオープンなコミュニケーションによる経験を自社のコンテクストとして取り込むことを目指す戦略である。それに対し、感覚共鳴のコンテクストブランディングでは顧客と企業とのクローズドなコミュニケーションによってそのコンテクストの創造を目指す戦略である。そこで本稿では、感覚共鳴とはどのような戦略であるか、またどのような考え方に基づいているかについて論述していくこととする。