農林水産物·食品輸出の現状と課題

摘要

政府は平成31年に農林水産物·食品の輸出額を1兆円とする目標を立てている。農林水産物·食品の輸出の現状、政府の促進策、輸出の取り組み事例を概観したのち、輸出促進のための課題について考察する。近年の輸出は、円高や平成23年3月の原発事故の影響などにより、落ち込みが生じていたが、平成28年は、27年に続いて7，000億円を超え、昭和30年に輸出額の統計を取り始めて以降最高の7，503億円となった。そのため政府は、平成27年には最終目標1兆円の達成を1年前倒して平成31年とした。政府は、平成25年に策定した農林水産物·食品の国別·品目別輸出戦略で、コメ·コメ加工品、牛肉、青果物、茶、花き、林産物、水産物、加工食品を重点品目と設定した。