建設業における環境対策の展望：無発破トンネル掘削工法－工法の概要と施工事例

摘要

一般に山岳トンネルの掘削は、発破工法によることがもっとも経済的で能率的であるが、市街地に近接したトンネル工事では発破作業に伴う振動や騒音が問題となる。 発破工法の採用に際しては地元住民の発破に対する同意を得て、火薬の消費許可を受ける必要がある。 発破作業は、振動規制法や騒音規制法の対象外であるが、発破の同意を得る際、振動規制法、騒音規制法に準じた厳しい規制が要請される場合が多い。このため、発破が規制されたり、全く使用できないこともあり、このような工事では無発破トンネル掘削工法を採用せざるを得ない状況下にある。 無発破掘削工法は環境対策に欠かせない工法であるが、汎用的な工法ではないため十分理解されているとはいいがたい。本稿では、これらの工法の概要と施工事例について紹介する。