フッ素不溶化処理工法：アルミニウム系不溶化材を用いた2材混合処理工法

摘要

重金属などの有害物質により土壌が汚染されると、その汚染された土壌を直接摂取、もしくは、汚染された土壌から有害物質が溶け出すことによって汚染された地下水の飲用などにより人の健康に影響を及ぼすおそれがある。こうした土壌汚染は、工場跡地等の再開発等に伴い社会問題化してきている。このような背景から、健康被害の拡大を防止する目的で、土壌汚染対策法が制定·施行された。土壌汚染対策法では、重金属·揮発性有機化合物に対して、環境基準値が定められており、フッ素においてはその溶出量が0.8mg／L以下と定められている。近年、フッ素化合物を使用する工場からのフッ素の大気中への飛散、排水中への排出により、フッ素が土壌に混入する機会が増加しており、フッ素汚染土の処理には一定のニーズが見込まれる。本稿では、弊社で開発したフッ素汚染土の不溶化処理工法の概要ならびに本工法を用いた処理事例について報告する。