石油·化学プラント業界における非破壊検査技術の現状と今後の課題

摘要

石油·化学業界におけるプラント設備の多くは高度成長期に建設され、30～40年以上経った現在も稼働を継続している設備も多い。また経営面からは、日本国内のエネルギー需要構造の変化や規制緩和、中東や韓国、中国、東南アジアとの国際競争力の激化といったような環境変化にも晒されている。すなわち、石油·化学業界は設備の老朽化に伴う維持管理費の増大とコスト競争力の強化という、相反する課題を抱えている。そのため、設備管理技術、とりわけ非破壊検査技術はプラントの安全性維持とコスト競争力向上に大きく影響する項目である。本稿では、石油·化学業界の現況を概説し、プラントの設備管理における非破壊検査技術の現状と今後の課題について、主に外面腐食と埋設配管·加熱炉管の腐食の問題に対する非破壊検査の適用状況を例示し解説する。