農業技術研究機構における「地域総合研究」－作業技術研究に関運した研究域果(1)：水稲の不耕起乾田直播及びロングマット苗移植を基軸とする水田輪作営農体系の確立

摘要

水稲の単作経営が多い利根川流域では，今後担い手の大幅な減少とともに，地域農業の再編が予想されている。 流動化する農地を集積して規模拡大を図り，田畑輪換を用いた大規模経営の成立を支援するためには，稲作の省力化と転換畑作物の高品質·安定多収技術の確立が必要である。 このため，中央農研では，①ロングマット水耕苗移植栽培技術による水稲の省力化栽培技術の確立，②不耕起による水稲直播と麦·大豆二毛作を組み合わせた輪作体系による低コスト化技術の確立と，開発した技術体系の経営的評価および定着のための条件解明を行うとともに，これらの技術を総合化して，関東地域に適応した高収益水田輪作営農体系を確立するための地域総合研究を茨城県稲敷郡新利根町で進めている。