自動車の振動騒音技術をあらためて眺める－技術編

摘要

航空宇宙技術は，色々な振動騒音問題で墜落という悲惨な事故を繰り返しつつも，その原因究明に優秀な技術者が其撃にあたり，米国を中心として公的な機関がそれをリードして発達してきた振動モード解析，統計的エネルギー解析，ランダム振動解析や相関技術による実験解析，有限要素解析など，今日私たちが使っている振動騒音技術の殆どが米国を中心とした航空宇宙分野で発されてきたものであろう．それに比べると，日本の自動車産業は，そのような解析手法の基本部分の開発に貢献をしているとは言えないでしょう．むしろ，その応用方法の開発を得意としてきて，今日の製品の品質を支えていると思います．このような自動車技術，とりわけ振動騒音技術の社会的，あるいは人的側面については，すでにこの会誌に拙文を掲載していただいたので，今回は応用対象としての自動車振動騒音現象の特徴，現象に対する設計案のモデリングなどを，あらためて眺めてみます．