環境·構造物の3次元レーザ計測点群の取得と自動モデリング

摘要

中·長距離3次元レーザスキャナにより，数メートルから数キロメートル先にある物体の表面形状を3次元点の集合である点群として取得することが可能となっており，取得点群は，土木，建築，測量，プラント，文化財，森林．自動運転など幅広い分野で利用されている．近年では．自動運転向けの高精度3次元地図やダイナミックマップ生成，老朽化したインフラ設備の維持管理，国土交通省のi-Constructionにおける活用や，ドローンやAR/VRとの連携などにより，環境や構造物の3次元レーザ計測技術への期待が特に高まっているように見える．点群は単なる3次元座標値を持った点の集合であり，そのままでできることは限られている．点群から利用上意味のある特徴部や曲面，物体などの情報を抽出し，利用しやすい形式で3次元モデル化することにより，計測対象物の維持管理や各種計画，シミュレーションなどの様々な応用が可能となる．本稿では，レーザ計測点群からの構造物の3次元モデル生成プロセスと関連技術について概説し，モデリングの前処理として必須である点群自動位置合わせと，建物の3次元モデル自動生成に関する著者らの取り組みについて紹介する．