事象センサの故障を許容する離散事象診断器の存在性

摘要

本稿では，事象センサの故障のもとでの離散事象システムの診断問題について考察する．筆者らは，センサ故障により高々一つの可観測事象が不可観測になることを考慮した可診断性の概念を提案し，その一判定法を与えている．そこで本稿では，この提案した可診断性が，高々一つの可観測事象が不可観測になる可能性がある場合において，故障事象の生起を検出できるような診断器の存在のための必要十分条件となっていることを示す．