都市モノレールの電車線路設備

摘要

跨座型都市モノレールにおいて、車両走行に必要な電力（直流1，500ボルト）を供給する電車線設備は、モノレール車両の安定した運行を行うための重要な設備である。なかでも、電車線は、モノレール車両が1本の軌道桁を跨って上空を走行するという特殊な条件に適応した構造にする必要がある。これが一般鉄道とは大きく異なる点である。そのため、軌道桁の両側面に「剛体複線式」の電車線が取り付けられている。また、この電車線を用いるため、設計、製作、施工、メンテナンス等に種々の工夫がなされている。本報告は、電車線路全般、電車線構造等の内容につき解説し、設計からメンテナンスに関し配慮すべき主要な点をまとめたものである。インフラ部の軌道桁製作にあたっても、電車線の内容を十分理解して建設を進めることが望まれる。