現場におけるクレーン等の強風対策－風に関する一般的知識

摘要

アジア大陸の東端の温帯地域に位置している日本は春夏秋冬のいわゆる四季が明瞭に現れるだけでなく，中央部に連なる山々と周りに囲まれた海の影響でさまざまな特徴的な気象現象が多くみられる．冬の日本海側での降雪，春から夏への季節の変わり目の梅雨，太平洋側の高温多湿な夏の気候などが挙げられるが，夏から秋にかけて発生し大きな災害をもたらす台風も日本の特徴的な気象現象である．台風は毎年20～30本発生しているが，日本への上陸回数は例年2～4本であるのに対して，04年度は10本も上陸し，各地にさまざまな災害をもたらしている．特に建築用タワークレーンについては，ジブの倒壊，折損などの被害が全国的に発生している．このような強風による災害を防止するためには，風の特性等を正しく理解して確実な強風対策を事前に行っておかなければならない．そこでこの章では，風についての一般知識，基本的な事項について説明する．