ISO11031：Cranes-Principles for seismically resistant designと耐震設計(5）完－ISO11031作成活動を振り返って

摘要

本講座の第1回から第4回までにおいてクレーンの耐震設計に関して，日本クレーン協会規格「クレーン耐震設計指針：JCAS1101-2008（以下，JCAS1101と略称する）」とISO規格「ISO11031：Cranes-Principles for seismically resistant design（クレーンー耐震設計の原則）（以下，ISO11031と略称する）の概要および両者の相違点，そして試計算結果について説明してきた。最終回である今回は，第3回と第4回で示されたISO11031とJCAS1101に基づいた試計算結果の考察，ISO11031とJCAS1101の間に相違が生じた経緯の説明，クレーンの耐震設計規格類で今後検討すべき課題について述べる。また，ISO11031のプロジェクトリーダを務めた経験を振り返って，今後のISO活動で留意すべき事項について述べる。なお，ISO11031とJCAS1101 の間に相違が生じた経緯の説明は，ISO11031の考え方および地震荷重に関する係数等の理解に役立つと考えられる。