IoTを活用した建設現場の作業者安全モニタリンクシステム: ゼネコンが取り組む安全管理について

摘要

近年，毎年のように猛暑や酷暑と表現される夏の間，熱中症を始めとする体調不良により救急搬送される人数は，年々増加の一途をたどっている。建設業界内の熱中症発症患者数は全産業中の25%を占めており，そのうち死亡者数に至っては過半数を占めている。このように数値上でも建設業は過酷な環境での作業が常態化している。当社内においても，定期的に管理することで，熱中症の恐れのある作業者に対し，都度適切な対応を行い，重大事例にならぬよう努めている。これは非常に重要な管理用件である一方で現場職員に多くの作業負荷を与えている。これらへの対策を行うことで，作業員の安全と，職員の業務軽減が，今ゼネコンに求められていると考え，作業者安全モニタリングシステム（以下，当システム）の開発に至った。