食品の品質保証に寄与する先進の水分計

摘要

水は我々生命を維持するために最も重要な物質の一つであり，生物は水なくしては生きていくことはできない。水は生物体内で種々の物質を溶解し，運搬し，生体内反応の場を提供している。人体はその約60%が水で構成され，我々は1日に約2.5Lの水を飲料や他の食品から摂取しており，その約2分の1は食品から摂取している。水はすべての食品中に存在し，食品の性状を表す最も基本的な成分の一つである。表1，図1に示すように，穀類，豆類などの種子食品を除くほぼすべての食品は水分が高く，特に生鮮食品とよばれる野菜，果実の水分は90%を超えるものがある。魚類，肉類も70～80%が水分である。これらの食品から水分が減少すると食品本来の機能，特性が失われてしまう。野菜類では5%，魚類，肉類では3%の水分が減少すると，鮮度，品質が保持されなくなる。食品の構造は水によって保持され，乾燥によって組織が崩壊する。