ITを利用したスーパー食品工場の実現

摘要

食品産業もその他の製造業と同様に，多様化する消費者ニーズや価格破壊のビジネス環境の中，熾烈な競争を繰り広げてきた。さらに，今日では，BSE，残留農薬，ダイオキシンなどの問題から，消費者の食の安全に対する関心が高まり，これを損なう食品会社は存続できない。 このような環境の中，昨今注目され始めたトレーサビリテイ（生産履歴の追跡可能性）は，一企業内部での情報開示にとどまらず，サプライチェーンの領域から消費者への情報開示へと広がっている。トレーサビリティは，各企業それぞれの方法で確立されていると思うが，どの程度のスピードで，どの程度正確に商品や原料などの生産情報を特定できるかによって，その有効性や信頼性が異なってくる。 また，トレーサビリティ向上するために製造コストが増加することも考えられる。 そこで，いくつかの食品会社では，急速に発展してきたIT技術を活用し，改革的なトレーサビリティの向上が模索され始めている。