地中熱源＋空気熱源ハイブリッド空調システムのシミュレーション

摘要

地中熱源空調システムは，年間を通してその地域の平均温度程度で一定である地中熱源を用いるため，原理上空気熱源空調システムより性能が高い．しかしながら，設置コスト，特に掘削コストが高いため，幅広い普及には至っていない．設置コスト削減には，地面の掘削量を低減させることが必要である．著者らは，市販の空調機に地中熱交換ユニットを接続したハイブリッドシステムに関して検討を行った．本システムは，地中熱源空調システムの開発コストの削減が期待できるとともに，空気熱源を用いることによる掘削量の削減が期待できるばかりでなく，長期間にわたる高出力運転に伴う地中からの採熱量の低下を空気熱源で補うような運転も可能となる．本報では，ハイブリッドシステムに関する数値解析を，掘削量（熱交換器長さ）および地中熱源水流量をパラメータとして冷房条件の伝熱シミュレーションによるシステム性能の解析を行い，評価した結果について述べる．