ろう付によるチタン製プレート型熱交換器の開発と適用事例

摘要

熱交換器はあらゆる産業分野で使用されており、その種類や形状は多岐にわたっている。中でもろう付タイプのプレート型熱交換器は軽量かつコンパクト、また高性能であるなどの理由から幅広く使用されている。特に自動車のオイルクーラーやラヂエーター等はその最たる物であろう。このような中、様々な環境下で熱交換器が使用されているが、腐食環境下では耐食性の良い材料が必然的に用いられてきた。ステンレス鋼は最もポピュラーな耐食材料であるが、そのステンレス鋼でさえ腐食されてしまうような環境では、それ以外の材料が用いられている。さまざまな材料がある中、近年耐食性のよい構造材料の最たるものとしてはチタンをあげることが出来る。チタン製の熱交換器は世の中に存在するが、そのほとhどは溶接構造でできているために、形状に制限がある。従って、軽量、コンパクトで高性能なプレートタイプの熱交換は、溶接構造では作製出来ないのでガスケットタイプのみが存在している。チタンのろう付タイプ熱交換器が作られなかった理由は、十分に耐食性があるろう材がこれまでに存在しなかった為である。チタンのろう付自体は以前から数多く研究され、実際に工業分野でも行われてきたが、そのほとhどは銀系ろうやその他のろう材でろう付を行ったものであった。しかし近年、構造材料のろう材として十分な耐食性を持ち、かつ低融点のチタン系ろう材が開発され製品化されている。本研究では、母材のチタンと同様の耐食性を有するチタン系ろう材を用いて、チタン製プレート型熱交換器を開発した。また、その適用事例について紹介した。