稚内層珪質頁岩を用いたデシカント空調システムの開発 その16：実験住宅における改良型デシカント統合ヒートポンプシステムの夏期実証試験

摘要

これまでの報告で，2枚の稚内層珪質頁岩(WSS)を用いたデシカントローターを搭載したデシカント統合ヒートポンプユニットを実験住宅に設置し，夏期および冬期におけるデシカント除湿，加湿性能，さらに送水温度に対する冷暖房能力やCOPの評価の評価を行ってきた.しかし2枚ローター搭載デシカントシステムでは，ローターの予冷，再生のための熱交換器枚数が多く，HPからの冷媒による熱供給制御が困難であった.さらにラボ試験および数値解析による結果から，2枚ローター搭載デシカントよりも，全熱交換素子と1枚のWSSローターを組み合わせたシステムの方が除湿性能も良く，またHPと統合したときの熱供給制御もより簡易になることが分かった.本報では，全熱交換素子とWSSローターを組み合わせたデシカントユニットを新たに構築し，それを実験住宅に設置して，夏期における冷房，デシカント除湿性能の評価を行った結果について報告する.