ビル用マルチ空調システムにおける運転条件の最適化定常シミュレーションと運転条件最適化の統合

摘要

ビル用マルチ空調システムの運転条件の最適化手法に定常サイクルシミュレーションを階層的に組み合わせることで，予測した空調負荷に応じてシステム性能を向上させうる運転条件を探索する運用マネジメント手法を構築した．その上で，ケーススタディを通して，室内機運転台数に応じた最適な運転条件，さらには単位時間当たりの稼働率を考慮した最適な室内機運転台数に関する分析を行った．本報では，最適化計算において圧縮機吸入圧力と室内機ファン風量を決定変数としたが，感度が低いその他の運転条件を決定変数に含めた場合も最適な運転条件が得られることを確認している．今後は時間稼働率を決定変数に加え，最適な室内機運転台数を決定できるように手法の拡張を行う．さらに，本報では与条件とした空調負荷の予測手法を構築し，本手法への統合を行う予定である．