低GWP冷媒のターボ冷凍機への適用研究冷媒にHFO-1234ze（E）を用いたターボ冷凍機の性能評価

摘要

オゾン層保護等に始まる特定フロン類の規制により，冷凍空調業界は代替フロンへの転換に取り組み，業務用，産業用セントラル空調の熱源機として使用されるターボ冷凍機においても同様にHFC冷媒への転換を行った．しかし，他の空調機器と同様にターボ冷凍機に使用しているHFC冷媒は温室効果の高いものであり，低GWP冷媒（GWP: Global Warming Potential）への転換が必要とされる．低GWP冷媒については冷凍空調業界ではカーエアコンを中心に家庭用エアコン等も含めて適用の検討が進hでいる．しかし，入手性などから大容量，即ち冷媒量充填の多いターボ冷凍機ではその適用検討については着手されていない．一方，Mg製造時のカバーガスとしてSF6の代替に開発された冷媒HFO-1234ze（E）は，国内で製造されていて比較的入手が容易である．熱物性がHFC-134aに近いことから，ターボ冷凍機用の低GWP冷媒候補として有力である．そこで，HFO-1234ze（E）のターボ冷凍機の冷媒としての有効性を確認するため，HFC-134a用ターボ冷凍機にHFO-1234ze（E）を充填してドロップイン試験を実施し，レトロフィットでの対応やHFO-1234ze（E）の専用機の開発へ向けた基礎データを収集した．