水中に置かれた2本の水平管周りの凍結現象とブリッジング時間－伝熱管の配置と管形状の影響

摘要

円筒周りの凍結過程を研究した報告として，笹口らの2本管において初期水温が凍結過程に及ぼす影響を明らかにしたものがある．また鳥越らは凍結·融解に対する管の本数や配置の影響を調べている．しかし前者の研究では管形状は円形だけであり，後者の研究は管周りの凍結層同士の結合までは至っていない．また，実際のスタティック型の氷蓄熱装置は伝熱管の太さ，形状や配置などに様々な工夫がなされており種類が多いものの，どれが最も性能が高く，効率的なのか解析的に調べた研究は著者らの知る限り見受けられず，若干の実験結果とその定性的な説明が報告されているにすぎない．そこで本研究では実用上の観点から研究対象を管群へ拡張する場合の第一歩として伝熱管が2本の場合の実験や数値解析を行い，伝熱管の配置や形状を変えることが管周りの凍結層の生成挙動やブリッジング時間にどのような影響を及ぼすのかを調べることを目的としている．