積層型マイクロチャネル式熱交換器の開発気液二相冷媒のヘッダー分配特性

摘要

2 次ループ方式を用いた冷凍空調システムにおいて,低温冷媒と高温冷媒を熱交換させる小型, 高性能な冷媒熱交換器の開発は重要である. 著者らは, 複数の小径流路からなる高性能なマイクロチャネル管同士を積層したマイクロチャネル式熱交換器の開発を行っている. 本熱交換器は, 体積当りの伝熱面積が大きいため, 小型化,高性能化が図られ, 内容積が小さいため, 冷媒充填量の削減にも有効である. しかし, 複数の管をヘッダーで並列接続して構成されるため, ヘッダーから各管に冷媒,特に気液二相状態の冷媒を均等分配することが重要な課題である. 著者らは, これまで並列管数が比較的少ない場合について検討を行った.本報では, 並列管数が15 本の場合について, 分配特性が性能に及ぼす影響を調べた. また, 分配特性の測定は冷媒が高圧などの理由から一般的に困難であるため, 表面温度測定から推定する方法を検討した. さらに, 分配特性と流動様式線図との相関について考察した. 以下では, これらの内容について報告する.