デシカントローターに適した吸着等温線の形状を求める図解法

摘要

デシカントローターと呼ばれる吸着式除湿機は，常温で水蒸気を吸着させて乾燥空気を得，吸着した水蒸気を高温で脱着させる，いわゆる温度スイング吸着(TSA, Thermal Swing Adsorption)という周期操作の一種であり，その性能は吸着等温線とその温度依存性に大きく影響される．原料空気に平衡な吸着量q_(s,in)と再生空気に平衡な吸着量q_(e,in)の差が大きいに越したことはないが，その差が同じであっても，その間の平衡吸着量と湿度の関係，即ち吸着等温線の非線形性もまた除湿性能に影響を与える．本報では，高い除湿性能を得るためにはどのような形をした吸着等温線が最適であるかを検討し，前報の結果を受けた空気線図上の図解法として，最適等温線を求める手順を定式化した．