〈特集：パラレルマニピュレータと油空圧〉：パラレルメカニズム応用工作機械－現状と今後の展望

摘要

1994年シカゴで開催された国際工作機械見本市において、新機構の次世代型工作機械とも言うべきパラレルメカニズム応用工作機械（以下、パラレル加工機とする）がセンセーショナルに登場し-躍来場者の注目を集めた（写真1）。 この工作機械は、従来の工作機械とは全く構造が異なっていたため、マスコミ等でも数多く取り上げられ、夢の加工機としての話題性が先行した。 パラレルメカニズムで工作機械を作るというアイデアは以外に古く、1965年米国人ステュワートが発表したフライトシミュレータ用6自由度駆動機構の研究論文中で、パラレルメカニズムを自由曲面加工機に応用する可能性が討論されていた。 本論文中の提案が、パラレルメカニズムの応用工作機械の原点と考えられる。 このアイデアが30年余りの年月を超えて再び注目され、多くのパラレル加工機が登場するようになったことは、非常に興味深い歴史的事実である。 本稿では、パラレル加工機への期待と現状、今後の展望としていくつかのトピックを紹介する。