“小径工具”による高付加価値加工の実現：細穴＋深穴加工におけるガイド穴の効果·有効性

摘要

小径·微小径工具の製造販売に長年たずさわってきた者にとっては，ニッチと呼ばれるこの市場の近年の隆盛ぶりには感慨深いものがある。サイトウ製作所が金属加工用として最小径Φ0.05mmの超硬ツイストドリルを標準品として市場に出したのは18年前であるが，当時の産業界ではいわゆる実需としての需要はほとhどなく，Φ0.05mmのドリルが存在するならトライしてみようという「興味のある方々」が研究目的で微小径穴あけに果敢に挑戦していたという時代であった。 しかし今日では，当時の最小径ドリルΦ0.05mmにもすでに実需ベースが到来し，このレベルの微細穴加工にも「より高精度」に，かつ「より深く」という要求が当然の時代となった。 最近，サイトウ製作所が実際にオーダメイドで製造供給した超硬ドリルでも，Φ0.05×2mm刃長，Φ0.112×5mm刃長，Φ0.8×40mm刃長というアスペクト比40～50と突出したロング刃長仕様の製品も出て来ている。