高付加価値を生み出す固定砥粒研磨技術：フィルム研磨技術の新展開

摘要

最近のエレクトロニクスやオプティクス製品などの製造プロセスにおいて，最終仕上げ工程である研磨加工の大部分は遊離砥粒によるラッピングやポリッシングに依存しているのが現状である。 しかしながら，洗浄工程における脱フロン対策や廃液処理対策などの環境保全の観点からは，改善すべき問題が多く残されたままである。 そこで，よりクリーンな作業環境を確保しつつ，しかも地球環境に優しい研磨加工技術として，ラッピングフィルムを利用した研磨加工が注目され，多種多様な製品の精密研磨の分野へ用途が拡大されている。 本稿では，研磨工具としてのラッピングフィルムの最近の動向およびフィルム研磨の新しい利用技術について概説する。