振動吸収機構内蔵ホルダ「メジャードリームホルダ」

摘要

1994年に，既存のBT規格マシニングセンタ用にドリームカットホルダを開発して，早10年経過した。 ドリームカットホルダとベガチャックの取り付け部は，1/10ショートテーパでテーパと端面の両方で拘束する2面拘束方式であり，スリ割りの入ったテーパコーンが径方向の振動を吸収し，テーパコーンにプリロードを与えている皿バネが軸方向の振動を吸収する機構である。 ベガチャックは締め付けナットのない，テーパコレットを後端からボルトで引き上げる機構のコレットチャックである（図1，2）。 ドリームカットホルダ＋ベガチャックは，切削時の微少振動を吸収することによる減衰効果で，エンドミルを専用に用いるユーザーには大好評である。 しかし，ドリームカットホルダにべガチャックを取り付けたり，取り外したりの，取り扱いの煩わしさが普及を妨げたことは否めない。またベガチャックはコレットを後端からボルトで引き上げるため，エンドミルシャンクを奥に入れようとしてもボルトに当たり，奥まで挿入できない欠点があった。最近は金型用にロングシャンク形のエンドミルが普及しており，ベガチャックではエンドミルのチャックからの突き出し長が良くならざるを得ない。 さらに，垂切削後，ベガチャックからエンドミルの取り外し時には，エンドミルが飛び出さないように注意が必要であった。