優秀環境装置／中小企業庁長官賞：窒素·リン除去型高度処理浄化槽

摘要

我が国の河川、湖沼、海域などの公共用水域の水質環境基準（生活環境項目）達成率は、ここ数年横ばい状態が続いている。 とりわけ、湖沼、内湾、内海などの閉鎖性水域では富栄養化が進行しており、湖沼水域については昨年8月に総務省から発表された「湖沼の水環境の保全に関する政策評価」では、この水域で過去20年来進めてきた水質保全施策について改善効果が認められないという厳しい評価を下した。これらの水質汚濁の原因は種々挙げられるが、主な原因は生活排水であると報告されている。湖沼に限らず内湾、内海などの富栄養化は生態系の劣化を招くばかりでなく、農業、漁業、景観·観光、水道施設などの水利用に大きな被害をもたらし、修復することが極めて困難である。 水の交換の乏しい閉鎖性水域では汚濁物質の蓄積が加速されるため、BODやCODなどの有機物だけでなく、富栄養化の原因物質であると言われる窒素やリンなどの栄養塩類の流入負荷を削減することが極めて重要である。