「モノづくり」合理化·改善の手引き：事例でみる生産の合理化－第14回 ［事例19］伝導軸の振動対策設計

摘要

軸の振動問題とその対策設計は奥行が深い．本稿では初心者が専門書を理解するうえでの必須事項について，事例18の手法の応用例として解説する（計算は重力単位系を用いた）．☆軸の振動は，自動化機械·設備の精密化，高速化を阻害する要因の1つであり，さらに振動の繰返し荷重や交番荷重は，軸の疲労破壊のおもな原因になる．☆軸の振動現象は，軸系各部に慣性と復元性（質量の「運動←→変位」間でのエネルギのやり取り）があるために起きる．☆軸の危険速度は，軸系の固着振動数（動的な剛性·ばね定数が本質）が外力による強制振動数に近い場合で，大きな問題の原因になる．☆軸の振動対策設計の基本は，固有振動数の選び方にあり，“振動が起きにくくする，共振しないように設計する”ことにある．