ベテラン技術者の回想録 失敗から学ぶ設計の教訓 第6回 外注設計での失敗

摘要

今回は，手が足りず外注設計へ依頼したときの気の緩みから起こった失敗をお話します。まだドラフターで図面を描いていた時代のことで，それは手が足りなくて困っているときにかかってきた1本の電話から始まります。「今度，機械設計を始めました。始めたばかりでお客も仕事もありませh。何か仕事があれば…」という電話です。聞くと「勤めていた会社では設計をしながら現場も対応していたが，思うところがあって独立した」との話に期待しながら会うことに。見た目30代中頃の穏やかな設計者的な雰囲気を感じ，「少し期待できそうかな」と思いました。どhな設計をしてきたかを聞きながら話を進め，輸送機の経験を尋ねると，数はこなしていないが大丈夫との返事。「じゃあ，バケットエレベータは？」との問いに，当然のごとく「大丈夫，わかります」の返事に安心して，仕事を依頼することに決め，日を改めて打合せをする約束をしました。