次世代のメカトロニクス·協調設計に必要な基礎知識と創造教育

摘要

今日，IoT，AI（人工知能）といったデジタル·テクノロジーを活用して，スマートな生産ラインや新たなモノづくりの構築に乗り出す企業の動きが活発である。モノがインターネットに接続されることで，生活の利便性や新機軸のビジネスが広がる一方，人や技術の連携のあり方を巡っては，課題も多い。筆者は，今後の技術促進の手がかりは，日本のモノづくりの土台である複雑なものを現場の力で作り上げるという強みと普遍的な基幹技術の継承から創生される価値の相乗効果によるものだと考えている。その基幹技術とは，メカ，エレキ，ソフトを融合したメカトロニクスである。メカトロニクスは，複数の分野が連携し，個々の技術やノウハウを融合する，すなわち，擦合せ技術である。