シルクスクリーン印刷にイノベートするUV硬化型インクジェットプリンタ技術

摘要

20世紀の最後に熱いイベントがあったことを記憶している方々も多いことだろう。 そう，コンピュータで西暦年号を下二桁で処理していた「2000年間題」である。 日々の生活で，何も意識せずに当たり前として対応していることがカルチャーでもある。 その固有のカルチャーが，「2000 年問題」をきっかけに，見直されることになったのである。 さて，生活慣習にとどまらないこのカルチャリズムは，多重的·多層的なビジネス社会でもさまざまな形で存在するであろう。本稿では，シルクスクリーン印刷へのイノベーションを取り上げてみたい。 印刷技術がグーテンベルクによって発明されたことは，よく知られている。 その印刷革命が，文化·情報の広がりに貢献したことは，いうまでもない。 この長年の印刷技術はすっかり定着している。 そして，その印刷システム工程は，1つのカルチャーとしで定着している。 一度定着したものを変化させるのは，なかなかむずかしい。人間は，変化に対応することが得意ではないのかもしれない。しかし，今までの工程を見直し改善し，最適化することがより効果的である。だが，関与する人々の状況認識や価値観の違いにより，共通理解に至らない状況もある。 問題解決とは，達成すべき目標について，共通理解を得て，効率的かつ効果的な手段を共に考え，そして選択し実行することである。 そのため，システム全体を見て（俯瞰），部分の役割を凝視する作業が必要となってくるのである。 この「俯瞰」と「凝視」を、捉え，技術的に最適化するのがイノベーションである。