機械技術者が知っておきたい仕様書作成のポイントと書き方: 第1回 トラブルを発生させない仕様書作成の基本条件（導入編）

摘要

システム構築の仕様書については多くの書籍が出版されているが，機械を製作する，工事の施工をする，機械を購入する，装置や設備の引渡しの制約，検収条件など，何を明記すればよいのか，逆に仕様書に何が書かれていればよいのか，機械技術者が意外と知らないことから，後々トラブルが発生するなど機械の不具合につながることがある。機械や設備といった“モノ”を購入する，販売する場合には，その“モノ”の性能や機能といった内容を記載した書面（以下，仕様書とする）が付いている。この性能や機能，関連した内容などを記載した文章が仕様書である。この仕様書が正確に作成できる能力，記載されている仕様書を正しく解釈できる能力をもつことが機械設計技術者には求められている。機械設計技術者，エンジニアリング技術者として，これらの能力を習得することが一人前の技術者となるための心得となる。トラブルを発生させない仕様書作成の基本条件を解説する前に「仕様」について考えてみよう。