太陽熱を利用した海水淡水化蒸留器について

摘要

日本では水不足に悩まされることがあっても，水道の取水制限もほぼなく，汚れた水を飲hで健康被害にあうことは特殊なケースを除いてほとhどないと言ってもよい。しかし，経済的に豊かではない国々においては，インフラ施設の整備が不十分な地域も多く，そのような地域においては，いまだに非衛生的な水の摂取による，特に乳幼児の健康被害は深刻な問題となっている。著者自身，もう25年以上前の話にはなるが，NGOのボランティアの一員としてインドネシアのとあるNGO団体を訪問し，そのNGO団体の活動を紹介されたときの衝撃が，その後の大学院から現在まで続けている研究活動の原点となっている。現在ではもうすでに改善されているかもしれないが，当時，インドネシアの農村では，溜池をつくって雨季の間に水を溜め，その水を乾季の間に利用しているところが多いという内容であった。